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Rochecotte -Le Jardin Secret-

ロシュコット~秘密の花園~

「秘密の花園」という言葉にときめいたなら
それはあなたの心や記憶の彼方にも
約束の庭園が広がっている証

そこは、あなたの赦し失くして
誰も立ち入ることができない

けれど、あなたさえ望めば
いつでも訪れる事のできる場所

永遠(とわ)に続く物語

ロシュコットの住人たちは

入口まで導き
案内してくれるコマドリのように

静かにそっと
眠る扉を開く鍵

 

Renee

留寧(るね)

2017年6月~ 恋月姫人形学院「銀の翼」の生徒

恋月姫先生の一ファン

愛読書:P・G・ウッドハウス著作

動物占い:強靭な翼を持つペガサス

 

~作りたいイメージ~

私が想い描くのは
白のグラデーションと
パステルカラーの世界

砂糖菓子のような
甘く淡い濃淡

時には星降る夜の闇や
黄昏色の陰翳で彩ったとしても

透明に澄み渡る朝の空気や
みずみずしい花の香り
うっとりと微睡む旋律が

いつもそこにある

What are little girls made of?
What are little girls made of?
Sugar and spice
And all that’s nice,
That’s what little girls are made of.

What are young women made of?
What are young women made of?
Ribbons and laces, and sweet pretty faces,
And that are young women made of.

マザーグースがそう歌った少女たちを
優しくあやす場所

 

~好きな音色~

もしもお庭を音楽で表現するならば
小鳥のさえずりや
ラクメの「花の二重唱」を思い浮かべる

お部屋の中では
また別の音楽が流れている

 

~時のまにまに~

子供の頃、いつも薔薇の花びらで妹とおままごとをして遊んでいました。

お祈りの最中、母に初めて貰った薔薇のロザリオが切れてしまった時には、
大粒の涙を流して泣きました。

美しい物が壊れてしまった悲しみと、
「そもそも私は、赤い薔薇のロザリオより、透明なクリスタルビーズのロザリオの方が良かった」
という欲望と悔恨の念が、涙の理由でした。

幼い頃の私は、ワガママで不機嫌で高飛車、傲慢不遜でした。

おままごとを卒業する年齢になっても、
讃美歌が響く大聖堂で幼馴染と、
「今この瞬間、ごミサの最中に
もし王子様が私たちをさらいに来たら・・・」
などと想像しては、はしゃぎ。

学校の敷地内にあった修道院の「開かずの間」を探してみたり、
むかし土葬されたというシスター方の墓地を散策してみたり、
いくぶん不謹慎な子供でもあったと思います。

恋月姫先生の作品とは、
私が夢見がちな少女だった頃に出会いました。

眠るArielが、見る度に私を幻想の世界へと連れて行ってくれたのです。

私と妹は、生家や生まれ育った地を離れても、
空想の中で、しばしば薔薇園を訪れました。

大人になると、
心のお庭からは足が遠のきます。

でも、時が流れ、どれだけ周りが変化していっても、
あのお庭の薔薇は決して枯れることも、色褪せることもなく、
いつまでも鮮やかに咲き続けています。

先生のArielも、あの頃のまま。

心の底に仕舞ってある大切な追憶や物語は、
永遠に歳を取らないビスクドールたちと
少し似ている気がします。

それらは、誰かに愛されている間中、
何百年でも悠久の刻の波間を漂い渡ってゆけます。

私はお人形の中に、
過去も未来も現在も同一線上にある、
密やかな時空を垣間見ているのかもしれません。

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