今回、「どんなお人形を創りたいのか?」を自問自答し、
自分なりの世界観を考えてみた結果、
作りたいテーマがとても沢山ある事に気付けました。
これまでふわふわ浮遊していた自分の思考を、
ひとつひとつ捕まえて、
形にしようと努めた結果…。
考える過程で、
表現したいもの全てを内包できる世界観から
先に模索していたとも言えます。
また、私の場合、少女だけでなく、少年・青年のお人形も、
いつか作ってみたいと思って居ます。
それはそれで間違いないのですが、
最初に人形の世界に足を踏み入れたきっかけは恋月姫先生の作品であり、
最初に「自分でも人形を作ってみたい」と思わしめた根源は、
たった一人の少女の存在でした。
まだ自分の中で何も固まっていない頃から、
ローズという名の14歳の少女を人形にして、
いつか妹にプレゼントしたいという事だけは、
唯一決まっていたのです。
ローズはかつて、私たち姉妹の、夢の世界の住人でした。
もっと分かりやすい言葉で表現するならば、
考え得る限り最も
「完璧な少女」
の事です。
「完璧な少女」とは何でしょうか?
これには人それぞれ、色んな見解がある事でしょうけれど、
個人的には、「少なくとも未完成でなければ、完璧な少女とは言えない」と思います。
私は妹に、ローズの髪や瞳の色、顔だち、体型などを聞いて、
その姿を心の中に思い描きます。
けれど、絵や写真に置き換えられるほど仔細には、
その姿を掴む事が叶いません。
ですから、そのぼんやりした少女像を
いつか人形を通して具現化したいのです。
「14歳のローズ」は、
私にとって、永遠のテーマです。
もしかしたら、自分では一生作品にできないかもしれませんし、
仮に自分の作品の中で1番イメージに近いお人形を「ローズ」と定めるにしても、
最後の作品を作るまで、
どれが「ローズ」なのか、きっと分からないでしょう。
それに、ローズは「完璧な少女」ですから、
見る人が「この娘こそが『完璧な少女』だ」と感じれば、
きっとそれこそが「ローズ」なのだと思います。