焼成とサイズ

焼成とサイズ

 

「ビスクドールは焼くと小さくなる」
というのは前々からお聞きしておりました。

ある本には、ビスクは焼成前の約85%に収縮するのだとも。

ただ、平面の直線距離が85%縮むならイメージしやすいのですが、
立体の85%収縮というのは想像しづらかったです。

体感的にどれくらい焼き縮むのか興味があり、
本焼成まで終えた時に、サイズの差を比較してみました。


↑左から、第二原型・素焼き・本焼成したヘッド

(厳密には、第一原型⇒⇒⇒第二原型の工程でも、
少し小さくなっていると思うのですが)

原型から本焼成後のサイズ差に驚愕!
焼き上がりは、私のぼんやりしたイメージより、まだ小さかったです


↑ビスクドール第1号の身長は、本焼成後、約36cmでした。

個人的に、このサイズのお人形は二度と作りたくなく、最初で最後にしたいです。。。

手間暇ならいくらでも掛ける気持ちがあり、
小ささゆえに、作業が細かくなる事は努力でカバーできますが、

時間を掛ければ回避できるという問題では無く、
このサイズで細部を複雑な造形にしようとすると、
とにかく、すぐ割れてしまうのでございます。。。

↑指先も細か~く磨いて処理したいと思っても、
できるだけ力を入れずにそ~っと作業しても、
とにかく折れる

強度が出る本焼成後に磨いても綺麗にならないし、
まだ脆い鋳込み直後や本焼成後の処理を徹底しようにも、
慎重な作業も空しく、取り返しのつかない破損の繰り返しへ・・・

素焼き後に指先が折れる度に、
鋳込み(排泥→脱型)→処理→乾燥→素焼き→水磨き
を繰り返す事になります(要は、作り直し)。

↑矢印の手の型は5分割になっており、
鋳込みから脱型も戦々恐々

かといって、鋳込み後の処理や磨きが甘いと、
綺麗な手になりませんし。。。

複雑な形にしなければ磨きやすく、
破損も防げると思いますが、、、

しかし、恋月姫先生のLillielさんは、
身長38cmで、指先の太さは2~3ミリしかないのに、
5本の指が全部離れてたりするんですよね

あんな細い指を折らずに綺麗に仕上げる作業を想像すると、
めまいがします。。。
(根気や努力ではなく、技術力の問題か・・・)

 

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