鋳込み時の疑問と学習

鋳込み時の疑問と学習

↑同じ条件で焼成したのに、なんだか色が違って焼き上がった足パーツ

鋳込みを学ぶ段階で、私は以下を疑問に思って居たようです(過去記事にて)。

1)スリップの「種類」によって、焼成後、質感にどんな違いが出るのか?
2)スリップの「厚み」によって、焼成後、質感にどんな違いが出るのか?
3)スリップがどんな厚みなら、素焼き時、割れるのか?(+温度との関係)

私は恋月姫先生に教えて頂いた後、
練習&実験でスリップ40kg分以上を鋳込みまくり、
人形10体分以上、素焼き→本焼成しました。

(↑正確には、6kg入りのスリップを7箱空にした)

※!注意!※
私ほど不器用&不注意な生徒でなければ、
家でこんな練習しなくても、
先生のご指導で綺麗に作れると思います

が、私に関しましては、
鋳込みへ至るまでにも数多くの失敗を重ねに重ね、

鋳込み→脱型→処理→素焼き→水磨き→本焼成

↑鋳込みから本焼成に至る過程でも、
失敗しまくったのでございます、、、

ひたすら鋳込みと焼成を練習している間に、
冒頭3つの疑問も、少しは模索出来たかもしれません。。。

1)
→A,確かに、スリップの違いでも質感が異なるかもしれないが、
その後の処理と磨きと絵付けでどんどん質感が変わって見える

2)
→A,薄く鋳込んだ方が透明感が増すというのは事実だと思われるが、
その後の処理と磨きと絵付けでどんどん質感が変わって見える

3)
→A,色々な厚みで試したが、今のところ厚みの違いで素焼き中に割れた事は一度もない
割れる場合は、厚み以外の要因による事が多そうだが、
案外割れない

私は、
「ビスクという素材さえ使えば、造形や絵付けが少々下手でも、
少なくとも美肌には作れるはず」
という先入観を持っていたのですが、
現実は全く違いました

本焼成が終わるまで、
恋月姫先生が教えて下さったポイントが作品にどう影響するのか、
頭では理解できても、
実物を見るまでは想像の域を出なくて

初めて本焼成まで至った試作品が、
まっっったく美肌じゃないのを目の当たりにし、
ショックを受けました

比較する事さえおこがましいですが、
恋月姫先生のお人形と同じ素材で出来ているとは
到底思えませんでした

透明感なんてゼロ!

たとえどんな理想的なスリップの種類・厚み・焼成温度・焼成時間であっても、
そもそもの型の精度(!)や後処理や磨き次第で、
美しさに雲泥の差が出る事を学んだのでございました、、、

そして、ビスクの質感が生きる丁寧な作業ができないなら、
ビスクドールを作る意味が無い、
ビスクを扱う資格が無いと猛省致しました

↓反省&練習前のヘッド

↓(恋月姫先生のご指導をきっちり守り)反省&練習後のヘッド

(※↑画像を上手く同じサイズで掲載できなかった)

きっと肌質に限らず、
目を凝らさなければ見えない(誰も気付かないような)細部の丁寧さが、
一目見た瞬間感じる神々しさに繋がっていくのですね。

 

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